「もたいさんは、以前のような演技の仕事がしたいという意欲をなくしているそうです。出演依頼はあるようですが、すべて断っているみたい。事実上の休業状態で、いまのところ女優活動の〝再開〟は本人の頭にはないのでしょう。所属している事務所も本人の意思に任せているようです。事務所や関係者のかたは、いまももたいさんと頻繁に連絡を取っていると聞いていますが……」(前出・芸能関係者)
関係者の間では、彼女の体調を心配する声もあるという。
「近年は以前に比べてやせてしまったようで、『老眼になったり、若い頃に比べると体が動かなくなった』『将来はなるようにしかならない』と、体調不良や自身の今後を案じるようなことを周囲に話していました」(映画関係者)
40年以上身を置いた役者の世界から突如姿を消した希代の女優。最も心配しているのは、小林だろう。自宅に帰ってきた小林に、もたいの状況について問いかけると、しばしの沈黙の後、柔和な表情でこう答えた。
「(もたいは)普通にしてらっしゃいますよ。引退もないです」
──コロナ禍で仕事の意欲を失ったというのは?
「……それは、ないと思います」
──もたいさんは元気でいますか?
「……すみません」
そう言うと、自宅へと入っていった。
冒頭のシーンに戻ろう。待合室に佇むこと30分。知人と合流したもたいは、電車に乗り込み、雑踏へと消えていった。
もたいは、決して派手な存在ではない。しかし彼女がいたからこそ、名作と呼ばれるようになった映画やドラマは数え切れない。いまはただ、名優の休息を見守りたい。
※女性セブン2024年6月20日号