そんな彼女の演技は皇室の女性たちの心まで掴んでいるようだ。雅子さまと愛子さまもすっかり寅子に魅了され、毎朝一緒にご覧になられているという。
伊藤と共に物語の前半を引っ張った「最大の功労者」は、寅子の夫・優三を演じた仲野太賀(31才)だろう。前半のハイライトとなったのが、冒頭で紹介した優三の回想シーンである。
出征先の満州で優三が亡くなっていたことを知った後も悲しみを封印してきた寅子だが、あるとき、母・はる(石田ゆり子・54才)から「お願いだから立ち止まって優三さんの死と向き合いなさい」と諭される。それを契機に寅子は出征前に夫が語りかけてくれた言葉を回想し、堰を切ったように号泣するのである──この場面の放送後、Xでは「優三さん」がトレンド入りし、「優三ロス」の言葉も多く飛びかった。
「ヒロインが最愛の夫の死を受け入れるこのシーンは、早くも『朝ドラ史に残る名場面』といわれているほどです。仲野さん自身もインタビューで『撮影前からこの週のことを考えると泣きそうでした』と語っていた。そのくらい思い入れを持って臨んだからこそ、奥手だけど男らしくて優しい優三を好演できたのでしょう。仲野さんは伊藤さんとの共演を『阿吽の呼吸が心地よくて、すごく楽しかった』と振り返っています」(芸能関係者)