その「ポケモンGO」のイベントだが5月30日から6月2日まで仙台市で開催された「ポケモンGOフェスト2024」のことである。スマホで仙台市内を探索してポケモンを探すといったゲームで、仙台市の発表によれば3日間(6月1日時点調べ)でのべ26万人がスマホ片手にポケモンを探し歩いたと報道されている。
「スマートフォンゲームのイベントも増えているので歩きスマホもまた問題になりますね。どこでもスマホでゲームができるしTikTokも観れる、LINEで延々とやりとりもできる、歩きながらでも」
歩きながらスマホを操作するのが危険なことは当然で、実際に「ポケモンGOフェスト2024」でも仙台市や宮城県警に歩きスマホをやめさせろ、危なくて困る、といった苦情も複数寄せられたと仙台市が発表している。仙台市の商店街なども注意喚起の看板設置や、珍しいポケモンがあらわれるとの評判で世界中から殺到した仙台のアーケード街などは大変な混乱で警備員などが対応に追われた。そしてやはり苦情の大半は危険な「歩きスマホ」に対するものだった。
「でも罰則があるわけじゃないですからね、自動車でながらスマホは罰則があるし、自転車だって最近は厳しくなっているし青切符も導入される、歩きスマホは何もないですから、やめないでしょうね」
拙筆『「青切符」導入決定で自転車取締りが強化 歓迎の声がある一方で「ママチャリで車道は怖い」』でも書いた通り、自動車のながらスマホだけでなく自転車もあまりの行状に2026年から青切符が導入されることになった。それでも自転車のながらスマホを普通に見かけるのだから困ったものだが、歩きスマホは何の罰則もない。
一部自治体では「スマートフォン等の使用による安全を阻害する行為の防止に関する条例」(荒川区)など以前から条例で規定しているが、その荒川区の公式ホームページには、
〈歩行者に対する罰則はありません。ただし、区民等及び事業者は、歩きスマホ防止に関する意識啓発など、区の施策に協力するよう努める責務があります〉
とだけある。
荒川区に住む60代男性に話を聞くと、条例を「知らない」とにべもなかった。
「そんなものがあることすら知らない。歩きスマホなんて危なくてできないけど、もっとちゃんと罰則を設けないとやめないだろ、日暮里駅のロータリーとか町屋駅周辺なんかひどいもんだよ」