ゲームや動画、さまざまなアプリが悪いのでなく立ち止まるか、しかるべき場所でスマホの操作をすればいいだけの話だが、つい面白い、夢中になって歩きながらのスマホ操作となってしまう。
この歩きスマホ、本人は自覚がないのかもしれないが本当に危ないし、周りはずっと迷惑している。ぶつかりぶつかられて揉め事にもなるし事故にもつながる。2021年に東武練馬駅で歩きスマホのまま遮断器の降りた踏切に入って死亡した31歳の女性のように命の危険につながる可能性もある。大げさな、と思うかもしれないが人間が本当に楽しいとき、興奮したときの集中力というのは馬鹿にできない。
またこのままでは先の自転車の青切符導入と同様に罰金が科される可能性すらある。自由を自由でなくするのはいつもその自由を履き違える一部の人によるものだ。自戒も込めて、歩きスマホは絶対にしてはならないことを大人も子どもも再認識すべきだろう。
日野百草(ひの・ひゃくそう)/日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経て、社会問題や社会倫理のルポルタージュを手掛ける。