国内

選挙の候補者ポスター 加工しすぎてトラブルに発展するケースもある

選挙のポスター掲示場(イメージ、時事通信フォト)

選挙のポスター掲示場(イメージ、時事通信フォト)

 商業用の写真は必ず修正するもので、どんなに美しいモデルや俳優であっても、毛穴が目立たないようにであったり、肉眼では気づけなかった打ち身跡など肌色の調整などは当たり前に行われてきた。とはいえ、かつてのプリクラや、最近のSNSへの自撮り投稿のように、加工を重ねて別人のように変えるようなことはしない。そんな加工は素人のやることだとされてきたのだが、最近は、プロに別人加工を依頼するケースがある。ライターの宮添優氏が、立候補者が選挙で使用する写真のミスマッチについてレポートする。

 * * *
「外国の教会に書かれた歴史的な絵が、怪しい修復師によってベタ塗りされて、台無しになった事件がありましたよね。まさに、あの修正後の絵のような仕上がりでした。まあ、本人がよいと仰るので、そのまま納品したのですが」

 東京都内の某スタジオに勤務するカメラマン・坂田和喜さん(仮名・40代)は、都議会議員選挙に立候補した某女性候補が、選挙活動に使用する写真撮影の仕事を受けた。

「うちのスタジオでは、数名の国会議員さんや都議、他県の候補者も撮影しています。議員さんの撮影は商業写真とは少し違うこだわりがありますが、なかでも女性の議員や立候補者は仕上がりに注文が多くなりがちです。ふだんはやらない”白飛び”してしまうような数の照明を焚いて、結局顔や肌の凹凸がわからないような写真ができてしまうんです。カメラマンとしては明らかな”失敗作”なんですが、これがよいとする候補者の方が何人かいますね」(坂田さん)

 SNSでも、選挙のたびに「ポスターと実際の顔が違いすぎる候補」という話題はよく取り上げられている。ポスター制作現場にいる人々が、その評判を知らないはずはなく、ネガティブな反応を見ると、依頼者の注文通りにしたこととはいえ、坂田さんは自身の仕事を馬鹿にされているような、口惜しい気持ちに苛まれているのだと打ち明ける。

修正しすぎた選挙写真がきっかけでトラブル

 選挙の立候補者たちからすれば、ポスターこそが有権者に顔を売る重要なものであり、多少の修正はやむを得ないと考えている。だが、エスカレートした加工を施した写真をポスターなどに使用した候補者が、自分が出ると告知されていた公開討論会場に入ることができなかったという、冗談のような事態が発生している。都内の編集プロダクション社員・増田孝昭さん(仮名・40代)が振り返る。

関連記事

トピックス

地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン