妻の首に手をかける直前の心境は
「いつもは何時間か経つと、静かになって寝てくれたわけね。でもね、あの時はね、ここ(取材場所となった吉田さん宅のリビング)で昼飯を食べた後もずっと調子が悪かった。すぐに(家から)出て行こうとしちゃうから、連れ戻してベッドに連れて行って。俺はベッドに座って4時間ぐらい話したんだろうな。
正論が通じなかった。いつものように浮気したとか、お財布を盗んだとか、そういう話でした」
夕食後も節子さんの様子は変わらない。
「食べている時も辻褄が合わない話をずっと。支離滅裂な話をしてて、話もあっち行ったりこっち行ったりするし、今日の話から10年前、30年前の話が全部一緒になってくるから。おっきな声出して怒り始めるしね。
すぐに出て行こうともする。どれだけ時間が経っても終わらない。午後6時前後から食事して、普通だったら9時頃になると寝るんだけども、寝ないしね。しょうがないから向こう(ベッドがある部屋)へ連れてって、ベッドに横並びでまた座って、話をしていた」
延々と続く、辻褄の合わない会話、節子さんの怒鳴り声、吉田さんはついに手を出す。