ライフ

【超老老介護の果てに殺害】妻の首をその手で絞めた吉田友貞さん(80)が振り返る犯行に至るまでの“分岐点”「見栄を張ってたんだと思う」

歌うことが好きだった節子さん。十八番は美空ひばりだったという

歌うことが好きだった節子さん。十八番は美空ひばりだったという(吉田さん提供)

 2023年10月、長年寄り添った妻をいわゆる“超老老介護”の果てに絞殺した吉田友貞さん(80)。今年6月、東京地裁で殺人罪に問われていた裁判で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡された。刑務所に収監されることを覚悟していた吉田さんは、事件現場でもある自宅で今も一人で暮らしている。NEWSポストセブンは複数回、吉田さん宅を訪ね、累計5時間にわたる独占インタビューを行った。

 長年の老老介護で「自覚のないまま疲労や疲弊感を蓄積させた」(判決文より)と指摘された吉田さん。重度の認知症を患っていた妻の節子さん(当時85)から、根拠のない浮気を疑われたり、近隣のインターホンを片っ端から押して「助けて下さい」などと言われたりしたという。将来を悲観し節子さんを絞殺した後、自分も死のうとしたが死にきれなかった。

 記者が主にインタビューをした部屋は、節子さんの仏壇のあるリビングだ。仏壇には節子さんが生前好きだった大きな白いユリの花が飾られていた。隣接する当時の寝室には、ベッドが2台並べられていたというが、現在は物がほとんどない。ここが殺害現場だ。

 事件から約10カ月を経て冷静になった吉田さんは、妻の命を奪った手の感触が忘れられないという。そして、自らの行為に深く後悔しているように見えた。今後、どのように生きていくのだろうか。【全5回の第5回。第1回から読む

「今になって思うとね、やっぱりあいつは生きたかったんだろうなっていうのはあります。朝昼晩、薬を飲んでたからね。俺が朝は11錠、昼は4錠とかをセットしていたんです。朝飯がいつもは7時半とか8時に食べていたのが、その日の節子の調子によって9時とか10時になったりしていた。

 でも、何時に食べようと、12時になると『薬飲むから食事まだ?』って言うわけなんです。それだけ『薬を飲まなくてはいけない』という思いが節子は強かった。良くなりたい、治りたいっていう気持ちがあるわけだよね。やっぱり一緒に……一緒にその気になって(闘病を)やらなきゃいけなかった」

 吉田さんは「時間を戻せるなら、節子に手をかけなかった」と現在は、深く後悔しているという。

関連記事

トピックス

岡田将生の沼にどっぷりハマった魅力とは?
《『虎に翼』で航一さん役を好演》岡田将生のあふれる魅力 約20年で「選ばれる俳優」の筆頭へと飛躍
女性セブン
台風10号の影響で、冠水した道路で立ち往生する車両(時事通信フォト)
「吹き荒れる風雨の中での台風リポートは消滅」で重宝される”視聴者映像” 危険な撮影をしてもTV放送を狙う人たちと彼らを避ける番組サイドの事情
NEWSポストセブン
連ドラの主演を2クール連続で務める松本若菜
【まさに“代打の女神さま”】松本若菜、“別の女優が急きょ降板”で10月ドラマで2クール連続主演 『西園寺さん』も企画段階では違う大物女優が主演の予定だった
女性セブン
史上最速優勝を果たした大の里(時事通信フォト)
【角界の世代交代】史上最速優勝の大の里に包囲網 最大のライバルはたたき上げの平戸海、日体大の同級生だった阿武剋・旭海雄・石崎らにも注目
週刊ポスト
33年ぶりに唐沢寿明が鈴木保奈美と共演する
【地上波ドラマでは『愛という名のもとに』以来33年ぶり】唐沢寿明、2025年1月期で4年ぶり民放連ドラ主演、共演は鈴木保奈美 テレ朝は大きな期待
女性セブン
エアコンの温度口論で殺人事件に(写真/PIXTA)
【広尾・マンション女性殴打死亡事件】きっかけはエアコンの設定温度か なぜ男性と女性では室温の感じ方に差があるのか
女性セブン
一時は通常の食事がとれないほどだったという(7月、岐阜市。時事通信フォト)
宮内庁の来年度予算概算要求「医療環境の整備等」が約1.5倍に増額 “大腸ビデオスコープ”への予算計上で再燃する紀子さまの胃腸への不安
女性セブン
NHKの山内泉アナ
《極秘結婚していたNHK山内泉アナ》ギャップ感あふれるボーイッシュ私服は約9000円のオシャレブランド お相手は慶応同級生…大学時代から培った「ビビットな感性」
NEWSポストセブン
不同意わいせつ容疑で書類送検された山口晋衆院議員(Facebookより)
《不同意わいせつ容疑で書類送検》自民・山口晋議員、エレベーター内キス目撃した20代女性の母親に「ガス会社の社員」を名乗った理由
NEWSポストセブン
長澤まさみ
松本潤、野田秀樹氏の舞台で共演する長澤まさみを“別宅”に招いて打ち上げを開いた夜 私生活では距離があった2人がお互いを高め合う関係に
女性セブン
三田寛子がSNSに載せた初めてのツーショットの真相
《三田寛子の誕生日ツーショット》実は「バースデー当日の写真ではない」疑惑が浮上 中村芝翫は愛人と同棲する家へ直行していた
NEWSポストセブン
妻とみられる女性とともに買い物に出かけていた水原元通訳
《買い出しツーショット》水原一平被告が痩せてロン毛に…購入した「米とビール」にみる現状の生活
NEWSポストセブン