それでも、もし勉強ができず、地域の高校に行っていたらと思うと恐怖だと話す。
「幸い受験はうまくいきましたが、勉強が不得意であの中学のいじめ集団が入るような地元の高校に行っていたらどうなっていただろうと思うとゾッとします。どんな階層でもいじめはあるのでしょうが、治安という点で偏差値の高い学校のほうが安全であることは確かです。荒れた中学や高校よりマシは事実ですよ」
彼は幸いにして逃れることができたが、逃れられずに命を絶った子どもたちも大勢いる。いまもいじめにあっている子どもたちもまた無数にいる。日常的にひどい言葉をリアルで、ネットで言われ続けている。
それをフワちゃんほどの著名なタレントが公然と「死んでくださ―い」では、世間の理解は得られないだろう。ノリでイジってネタ、公の場でそれをすればどうなるか、フワちゃんはわからなかったのか。取り巻きもまた、フワちゃんの日常のこうした行動や言動をノリでイジってネタで済ましてきたのか。
こうした事例に繰り返し書くが、思考は言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣になり、習慣は性格になり、そして性格が運命になる――やはりこの言葉、そのままの事例のように思う。
フワちゃんの言葉。これは決して、人に向けてはならない刃だった。
日野百草(ひの・ひゃくそう)/日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経て、社会問題や社会倫理のルポルタージュを手掛ける。
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