プロ野球のレジェンドたちの目に、令和の日本球界はどう映っているのか。本誌・週刊ポストの名物企画「言わずに死ねるか!」球界編では、大物OBたちの率直な見解を聞いた。第1回は権藤博氏(85)。1961年に中日に入団すると、ルーキーイヤーから「権藤、権藤、雨、権藤」といわれるほどの連投を見せた。1年目から69試合に登板(うち先発44試合)。32試合に完投して35勝19敗の成績を残している。全力投球で驚異的な実績を残した権藤氏は、令和の球界が“安きに流れている”との危惧を抱く。【全5回の第1回】
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そろそろ見直すべき時じゃないですかね。クライマックスシリーズ(CS)ですよ。やること自体が間違っている。143試合もあるペナントレースの意味がなくなるじゃないですか。
大リーグのポストシーズンを真似た制度だが、ア・リーグとナ・リーグは合わせて30球団もあり、それぞれに東、中、西の3地区があって6つの地区優勝チームがある。これに勝率上位のチームをワイルドカードとして加えることの賛否はあるものの、それでも各地区の優勝チームが主体となった争いになる。納得ができるポストシーズンになっている。
一方の日本はそれを形だけ模倣して、ペナント終盤に消化試合がなくなるからと6球団のうち3球団も拾われるシステムになっている。たった6球団しかないのに、3球団が“合格”だなんて、馬鹿げていますよ。薄っぺらすぎる仕組みで、どう見ても納得できるものではない。
ペナントはCSの予選か
今シーズンのパ・リーグはソフトバンクが2位以下を10ゲーム近く離して独走していますが、短期決戦のCSじゃどうなるかわからないですよ。143試合のペナントレースはマラソンみたいなもので、力があるチームが勝ちます。一方のCSは、マラソンで優勝したチームがレース後にトラックに場所を移して短距離で勝負するようなもの。
これまでも広島や巨人、西武、ソフトバンクのようにリーグ優勝しながらCSで敗退したケースがある。2017年の広島は14.5ゲーム離した3位のDeNAに敗れて日本シリーズに出られなかったが、これじゃペナントレースは何なんだと。予選かということになる。CS出場を決める予選だとすれば、ペナントレースは長すぎるって。