目に光る涙が、病の深刻さを物語っていた。最愛の父の死から約5年。今度は、自分自身が病に直面する運命を背負った。それでも彼女は諦めない。不死身の男と呼ばれた父同様、最後までがんと闘う決意を固めた梅宮アンナ(51才)の思いに迫る。
「このたび、がんが見つかりました。気づいたときには乳がんのステージ3Aでした。あまり落胆はしていません。小さいときから父がずっとがんと共に生きていたのを見てきたので、私もいつかはなるだろうなと思っていたし、むしろ51才までよくならなかったなと思います」
突然の告白に、配信を見ていたファンの間に大きな衝撃が広がった。8月13日、モデルでタレントの梅宮アンナ(51才)がウェブメディアで乳がんに罹患したことを打ち明け、同日夜に行ったSNSのライブ配信で、改めて現状を説明した。異変に気づいたのは今年5月。朝、シャワーから出て鏡を見ると、右の乳房が小さくなっていたことに気づいたという。
「ワンカップぐらい違ってて、そんな病気を聞いたことがないから更年期だなと思ったりして……」(ライブ配信より)
今年4月頃にも体調不良に見舞われていたアンナは、自身のSNSで《免疫低下による感染症を起こしてしまいました》と報告し《咳が止まらないのです。喉も酷くて、息を吸うのも辛くて》と明かしていた。一時は、寝たきりの状態となり、フォロワーから心配の声が相次いだが、このときはすぐに回復したこともあり、事の大きさに気づいていなかったようだ。
病院でマンモグラフィやMRIによる検査を受けても異常は見つからず、右側の胸の組織の一部を検査したところ、7月上旬に「浸潤性小葉がん」と診断されたという。特殊型乳がんに分類される聞きなれない病名について、新見正則医院院長の新見正則さんが解説する。
「『小葉』とは乳腺のミルクを作る部分で、そのミルクを乳首まで運ぶのが『乳管』です。乳がんの約9割が『乳管がん』で『小葉がん』は全体の5%と推定されます。
比較的、高齢者に多いがんで、腫瘍を形成しないこともあり、乳管がんほどにはマンモグラフィや超音波の検査で見つかりにくい場合もあります。がんが内側にとどまらず外に広がっているケースを『浸潤がん』と呼びますが、乳がんは基本的に予後がよく、ステージ3の5年生存率は80.6%。乳腺をすべて切除すれば、残存乳腺内への再発はゼロになります。また、対側の乳房も予防的に切除することも行われています」