告知を受けた際、アンナは淡々と医師の話を聞いたが、付き添った母のクラウディアさんは動揺し、アメリカで暮らす愛娘の百々果さん(22才)は「お願いだから死なないで。死ぬには早すぎる」と号泣したという。
家族の前でアンナが気丈でいられた背景には、父・梅宮辰夫さん(享年81)の存在がある。東映映画やテレビドラマで活躍した往年の名優、梅宮さんは36才のときに睾丸がんを患って以来、2019年に慢性腎不全で亡くなるまでに6度のがんを克服した“がんサバイバー”だった。
「周囲から“不死身の男”と呼ばれていました。睾丸がんの摘出手術を受けた際には、後に別の病院の医師に『こんな取り方したんですか? 近々肺がんになりますよ』と言われたと明かしたこともあります」(芸能リポーター)
梅宮さんはその後も、十二指腸乳頭部がんや前立腺がん、尿管がんの手術を受け、壮絶な闘病を乗り越えて生き抜く姿は娘の目に強く焼き付いているという。その梅宮さんが、亡くなる直前まで気にかけていたのがアンナのことだった。著書『不良役者 梅宮辰夫が語る伝説の銀幕俳優破天荒譚』(双葉社)で梅宮さんは次のように綴っている。
《正直言ってアンナの行く末は気がかりだよ(中略)。男についても散々苦い体験をして、ひどい火傷を負ったはずなんだよ。普通はそこで気づかないと。ところが、アンナ自身は火傷したとはまるで思ってないようなんだ……。
でも、根は心の優しい子だからね。親バカとは知りつつ、ここから先は幸せな人生を送ってほしい。もう俺たち夫婦をハラハラ、ドキドキさせないでほしいよ。そしたら、俺も安心してあの世に行けるんだけどな(笑)。》
「病気になって気づくことって本当にあります」
梅宮さんが最後まで心配したように、19才のときにモデルとしてデビューして以来“恋多き女”と呼ばれたアンナは、不倫や離婚、金銭トラブルなどあらゆる修羅場を経験し、時には破滅的な恋愛にのめり込んだ。
「自らの恋愛遍歴をまるで“スペース・マウンテンに乗っているようだった”と例えたこともありますが、かつてはワイドショーの常連で、スキャンダラスな話題に事欠きませんでした。特に世間の耳目を集めたのが、“平成のバカップル”と称された羽賀研二さん(63才)との交際です。
つきあって間もなく、羽賀さんに莫大な借金があることが発覚し、連帯保証人となったアンナさんも数千万円の負債を背負ってしまった。2人で“ペアヌード写真集”を出版したこともあり、梅宮さんは、羽賀さんを『希代のワル』と言いつつ、裏ではアンナさんのために金策に駆け回っていました」(前出・芸能リポーター)