電動キックボードの利用者に声を掛け、車両の確認をする警察官(時事通信フォト)

電動キックボードの利用者に声を掛け、車両の確認をする警察官(時事通信フォト)

 日中は、買い物客やYシャツ姿の営業マンといった利用客が多く、各ステーションからあちこちに走りだしていき、夕方前には一台残らず「貸し出し中」になった。観光客が、興奮気味にステーションに駆け寄ってきて、恐る恐る駆け出していく、というシーンも幾度も目撃した。数百メートル歩いただけでも汗だくになるほどの酷暑下で、徒歩より素早く移動できるニーズはかなり大きいことが窺える。

 19時を過ぎた頃から、ラフな格好をした若者が渋谷駅近くのステーションに電動キックボードを「返却」しにやってきた。そのうちの一人、渋谷駅近くの飲食店オーナーの男性(30代)は、基本的には毎日、レンタルキックボードを利用しているという。

「店が20時オープンで翌3時までの営業なんですよ。だから、仕事終わりに電車もバスもない。これまではタクシーを使っていましたが、世田谷の自宅までは深夜料金で4000円以上かかるし、週末はタクシー乗り場で待っていても、混雑していてなかなか乗れません。これ(キックボード)なら数百円で済むし、いくつかステーションを回れば借りられる。自宅近くにステーションが出来てからは、もう、毎日の足代わりですよ」(飲食店オーナー)

 他にも数人、夜から朝にかけて働いているという若い男女が、同じようにステーションにやってきた。いずれも「帰宅時も利用する予定」だという。酔客で街が賑わう21時過ぎには、返却された電動キックボードでほぼ満杯になるようなステーションもあった。23時を超える頃には、千鳥足の酔客が一斉に駅方面に吸い込まれていったが、ちょうどこのあたりから、電動キックボードの利用者も増え始めた。

 渋谷・道玄坂のステーションで声をかけた20代の会社員女性は「満員電車が嫌」という理由で、帰宅時に電動キックボードをレンタルすることがよくあるという。

「仕事終わりに同僚と食事をして帰るところです。この時間、電車は満員ですし、酔っ払いも多くて嫌な思いをするので、キックボードを借りますね。もちろんお酒は飲んでいません。飲酒運転になりますから」(会社員女性)

 24時頃までは、仕事終わりと思しき男女の利用者が目立ったが、終電の時間を過ぎると、利用客の様子がガラッと一変する。

タクシーだと3000円以上かかるし、飲み帰りにちょうどいいんですよ

 24時半過ぎ、ステーションにやってきたカジュアルな格好の若い男性は、すでに千鳥足。スマホを使ってキックボードの予約を行っていたようだが、足下はフラフラしておぼつかず、うまく借りることができないようだ。「飲んでますよね、大丈夫ですか?」と思い切って声をかけたところ、いきなり激高された。

「飲んでねぇよ! うるせえな、死ね!」

 そう履き捨て、筆者に握り拳を作って威嚇してみせる男性。スマホでそそくさと手続きを済ませると、電動キックボードに飛び乗り、颯爽と街の雑踏に消えていったが、道行くバスやタクシー、乗用車の間をすり抜ける危険な運転。まして飲酒していると思われる状態で、いつ事故を起こしてもおかしくない。

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