無名の議員から自民党総裁選出馬で一躍“時の人”となったのがコバホークこと小林鷹之・前経済安保相だ。「新しい自民党」をアピールするが、彼を支えているのは岸田政権と同じ面々ではないかという疑念が拭えない。
衆院当選4回の49歳。最有力候補の小泉進次郎氏のライバルと見られ、党内では「決選投票が小泉進次郎vs小林鷹之の40代KK対決になれば盛り上がる」(若手議員)と期待が高まっている。
2022年の収入は2020年から倍増
小林氏は財務省キャリア官僚出身のエリートだが、出馬会見で「普通のサラリーマン家庭で育った」と強調した。しかし、資金力を見ると決して「普通」とは言えない。
小林氏の政党支部と政治資金管理団体「鷹之政経フォーラム」の政治資金収支報告書によると、2022年の政治資金の繰越金は合計約1億2000万円以上にのぼる。
とくに2021年、当選3回で岸田内閣の経済安全保障担当相に抜擢されると急速に集金力を増やし、党本部からの交付金を除いた2022年の収入は6912万円と、2020年に比べて倍増した。
その小林氏の支援者には、複数の財務省有力OBがいた。
個人献金の金額が突出しているのが小手川大助氏だ。理財局次長、IMF(国際通貨基金)日本代表理事などを歴任し、現在は複数の企業の社外取締役などを務めている。
小林氏は財務官僚時代、理財局総務課課長補佐を務めたが、当時、上司の理財局次長だったのが小手川氏だ。小手川氏は2007年にIMF理事に就任してワシントンに赴任したが、同じ年、小林氏も在米日本大使館の二等書記官としてワシントンに赴任。大使館の財務担当としてIMFの仕事をサポートする立場にあった。