2時間ドラマが次々と打ち切りになり、ミステリー好きは「見たいドラマが少なくなった」と嘆いているのではないか。昨年は山村美紗サスペンスドラマ『赤い霊柩車』シリーズ(フジテレビ系)が、多くの人に惜しまれつつ終了し、31年の歴史に幕を閉じた。同作品中で渋いながらも、ひょうひょうとした性格の狩矢荘助警部を演じていたのが若林豪さん(85)だ。9月末で『旅サラダ』を卒業する神田正輝とは『赤い霊柩車』シリーズで30年近く共演。若林さんが当時を振り返った──。【前後編の前編】
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『赤い霊柩車』シリーズは原作の山村美紗先生が、狩矢警部役はぜひ私に、と希望してくださったそうです。私じゃないならドラマ化しない、とまで言ってくださったとか。それぐらいでしたから、シリーズ開始当初は狩矢警部が主人公のあっこさん(石原明子、片平なぎさ扮)と競って出番もセリフも多くて大変だったんです。私が一番、NGを出していましたね。
1作品の撮影期間は全部で20日間くらい。当初は京都で撮影していました。みんなで同じホテルに泊まり、撮影が終わった後、ご飯食べに行ったりもしました。だんだん、京都で撮るのは東寺とか産寧坂(三年坂)とか肝心な京都らしい画(え)が必要なときだけになり、3日間くらいでまとめて撮っていました。室内のシーンは、東京・府中の中河原にあった府中多摩スタジオなどで撮影していました。