もしバラエティ番組が子育てをメインのコンテンツに据えるなら、毒舌キャラは主に女性、職種で言うと女優やアイドルが担うことになると思います。「夫が寝た後に」(テレビ朝日系)のMCを務める藤本美貴さんは元モーニング娘。ですし、女優・水野美紀さんは「子育て奮闘記 余力ゼロで生きてます」(朝日新聞出版)を上梓するなど、子育てについて積極的に語っています。水野さんは今年の7月から「news zero」(日本テレビ系)の火曜日パートナーに就任するなど、子育ての経験をベースに活動の場をさらに広げている印象を受けます。
藤本さん、水野さんは夫婦関係についても、赤裸々に語っています。藤本さんは8月7日放送の「上田と女が吠える夜」(日本テレビ系)において、外食の際、夫に「何が食べたい?」と聞くと「何でもいい」と答えるけれど、筋トレをしているために実際には食べられないものが多く、「すごいムカつくんですよ!」と明かしていました。水野さんも2021年6月21日放送の「有吉ゼミ」(日本テレビ系)において、夫である俳優・唐橋充さんがにおいとカビに敏感なため、洗剤をたくさんためこんでいることを明かし、「収納上手なのかも」と自画自賛する夫に「ぶっとはずぞ。業者か? 店にもこんなにないわ」とツッコんでいました。唐橋さんは万事細かいかというとそうでもなく、鶏肉と豚肉の違いがわからないことがあるそうです。
「無くて七癖」ということわざがありますが、「どうして、夫はこうなんだろう」「どうして、夫はこんな簡単なことができないんだろう」と配偶者の行動を不思議に思う人は多いと思います。それを藤本さん、水野さんのような人気者が明かすことで、世の女性たちは「変わっているのは、うちの夫だけじゃない」と安心感を得るのではないでしょうか。彼女たちの夫が大富豪や有名政治家など社会的地位が高すぎないことも、バラエティ番組においてはプラスなのだと思うのです。もし大富豪の妻や、世界的に活躍する俳優やアスリートの妻、総裁選に出馬中の小泉進次郎さんの妻、滝川クリステルさんのような人が「夫がムカつくんです」と言おうものなら、憧れや嫉妬も相まって、嫌なら離婚しろとか、夫に恥をかかせるなという意見が続出するでしょう。社会的地位がすごすぎず、不倫などの問題も起こさず、子育てには熱心で、妻に従順な夫を持つ女性芸能人こそ、バラエティで活躍できる時代と言えるのではないでしょうか。