「お金を渡すので集まってください」と号令
「引率者に写真を撮影され、LINEグループに入っている本人だということを確認されると、引率されて広場でしばらく待機することになりました。会場には確かにプラカードを持っている人はいましたが、僕らはデモっぽい活動を求められることはなかった。
デモの参加人数を多く見せるための“サクラ”として呼ばれているんだなと、その時に思いました。
広場で2時間ほど待機するうちに、引率者からグループLINEで集合写真を撮るから集まるよう指示がありました。LINEのメンバーで写真を撮った後、引率者から『お金を渡すので集まってください』と号令があり、1万円を手渡しでもらって、『ありがとうございました』と言われて解散、という流れでした。僕らが所属していた30人程度のグループは、他にも複数あるようでした」(Aさん)
確かに1万円を受け取ったAさん。反面、運営側は謝礼の存在を隠そうとする動きをとっていたという。
「報酬をもらった直後、グループラインに『デモ参加によって報酬いただいたことに関して、SNS掲載はくれぐれもしないようにお願いします』という通知がありました。
現に、イベントのスタッフは『デモ参加で報酬はありません』というプラカードを掲げていました。イベント終盤には、ステージ上にいた司会女性も『お金がもらえるというデマに騙された方達がたくさんいます。今事務局の人達が一生懸命説明してくれてるんですけど、そういったデマの妨害に屈しないように声を上げましょう』と意気揚々と話していましたね。後から『もらってよかったんだろうか……』と不安にもなりました」(Aさん)