──有森さんはいかがでしょう。気づかないふりをして保留にしていること、ありますか。
有森:片づけるということに関して言えば、私の場合、「もったいない」って気持ちが邪魔しているかも。子どもの頃から、貧乏性なんです。そんなクタクタになるまで使わなくても、世の中には便利なモノがいっぱいあるし、そっちへ体をあずければ棚のなかもきれいに片づく。
分かってはいるんですが、どうしてもできない。もうこれが自分のやり方なんだから、これでいいんだと思って、無理矢理にでも決着をつけるしかないですよね。パートナーやお子さんがいたら話は違うのかも知れませんが、独り身の自由さでなんとか折り合いをつけながらやっています。
──『片づけたい女たち』は、まさしくツンコの散らかった部屋の片づけを軸に進んでいきます。みなさん、片づけは得意ですか。
松永:はい、不得意です(笑)。いろいろと人に聞いてみると、片づけ下手にもいろんなパターンがあるみたいですね。私の部屋は確かに散らかってはいるんですけど、押し入れや引き出しのなかはめちゃくちゃきれい。そうかと思えば、片づけ上手でモノを定位置に置かないと気が済まないような人が、棚に溜まったホコリをまったく気にしなかったりする。
有森:私は、片づけはわりと好きな方。目に見えているところは、散らかっているのもホコリが溜まっているのも嫌なんです。でも、引き出しのなかはわりとぐちゃぐちゃ(笑)。
佐藤:片づけられないなら「見ないで捨てる」って作戦もあるんだけど、50年生きているとそれぞれに思い出があって、なかなかスッパリとは切れない。何年も使わず、存在すら忘れていたようなモノでも、1回見ちゃうと思い出が……。どうせ、そのあとも絶対使わないんですけどね(笑)。
──人それぞれの片づけられないパターンには、個人個人の生きざまみたいなものが映し出されているのかもしれませんね。
3人:怖い怖い怖い!(笑)。
(後編に続く)
【告知】
10月18日より、新宿シアタートップスで上演される舞台『片づけたい女たち』。ツンコ(松永)、おチョビ(佐藤)、バツミ(有森)の3人は高校のバスケ部からの友人。50歳を過ぎたある日、ツンコの部屋の片づけを手伝うことに。思い出話は尽きることなく、それぞれの生き方なども見えてきて……。