──「50代」「片づけ」「傍観」などのテーマが散りばめられている『片づけられない女たち』には、「死ぬまでにやっておきたいこと」を冗談交じりに語り合う場面があります。究極の「片づけ」エピソードとも言えますが、みなさんも考えたことはありますか。
松永:本のなかでも描かれていますが、実際に私も年齢が近い友人や知人が亡くなっていってるので、「死」ということを身近に感じるようになった。おかげで、死ぬまでにやっておきたいことは今のところ思いつかないけど、どれが「最後の1回」になるか分からないぞと考えるようにはなりましたね。
佐藤:とりあえず、ずっと健康でいないと、やっておきたいことがあってもできないですよね。お芝居はもちろん、今やっていることを続けるためにも、いつかやりたいことを実現させるためにも、健康でいないとダメなのは間違いない。健康診断を受けても、今までは目に留まりもしなかった数字が、「これはどういうことなんだろう」と気になるようになりました(笑)。
有森:日々を楽しくいたい。そのうえで、人と触れ合いながら、なにか作ることをやり続けられたらいいなと。お芝居もそのひとつだし、私はダンスが好きなのでダンスもずっと続けていきたい。もちろん、映像のお仕事も素晴らしいけれど、最近はAIやCGなどの技術が発達して、肉体と肉体で作り上げる部分が薄くなってきている気がします。せっかく生きているんだから、そういう皮膚感覚、身体感覚みたいなものを大事にしていきたいですね。