──過去の初演や再演では、出演者だけでなく演出家も同世代でした。今回、ひと回り若い保坂萌さんがどのように演出するかも楽しみのひとつです。
松永:保坂萌さんが40歳、演出助手の廣川真菜美さんは30代。同世代が集まって、「分かるよね、分かるよね」だけで進んでいかないためにも、彼女たちの視点こそが頼みだし、宝だと思っています。
佐藤:共感しながら観てくださる同世代のお客さんも多いでしょうし、若い方は若い方で、お母さんみたいな3人がなんかしゃべってるなぁと楽しんでくれたらいい。また男性には、「50代の女性たちは、こんなことを考えているのか」という発見があるかも。どの世代も、女性も男性も、きっとおもしろがって観ていただけると思います。
有森:私たちが演じる50代半ばの女性3人は、高校時代をバスケ部で一緒に過ごしているんです。その後、ほとんど会わない時期もあったかもしれないけど、若いときに一緒になにかを考えたり、行動をともにしたりというのは、やっぱり大きいと思う。
50代になり、ひとりだったら進めなくなるようなことが起きても、3人でいて、そのバランスのおかげで進めることはあるはず。そういった意味では、若い人たちは、今、隣にいる友だちのことを思いながら観るというのもおもしろいんじゃないかな。
松永:あと、同業者の方にもたくさん観てもらいたい。お芝居をしている若い女性が50代になったときに、「あ、今ならあれができるかも」と思ってやってくれたら嬉しい。そうやって、繋がっていって欲しい作品です。
【告知】
10月18日より、新宿シアタートップスで上演される舞台『片づけたい女たち』。ツンコ(松永)、おチョビ(佐藤)、バツミ(有森)の3人は高校のバスケ部からの友人。50歳を過ぎたある日、ツンコの部屋の片づけを手伝うことに。思い出話は尽きることなく、それぞれの生き方なども見えてきて……。
(了。前編から読む)