京都駅で祇園地区行きのバス乗り場に長蛇の列。公共交通機関が地域の生活の足としての役割を果たせなくなるほどになっている(EPA=時事)

京都駅で祇園地区行きのバス乗り場に長蛇の列。公共交通機関が地域の生活の足としての役割を果たせなくなるほどになっている(EPA=時事)

 男性が先日大阪に出張した際などは、京都や神戸などの有名観光地の宿泊施設も全滅。大阪市内からかなり離れた府内のホテルも満杯で、仕方なく和歌山県内に宿を取ったという。

「そこまでして会社に貢献してるのに、大阪市内から和歌山までの交通費も、会社は認めてくれない。仕事なんだから、ちゃんと経費で切ってくれよとは思いますがね。経理にいっても”どうしようもできない”と言われて、上司や同僚と途方に暮れていますよ」(食品会社勤務の男性)

 多少の揺り戻しはあるものの、円が安い状態は当分、変わりそうになくコロナ禍明けという状況も後押しして、訪日外国人数がさらに増えることも予想される。普通の日本の市民が普通の生活を送ることができないとなれば、政府や役所がそろそろ本気で「オーバーツーリズム」の対策について論じられても良さそうだが、今のところその気配は感じられない。

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