正直なところ、都内の繁華街をしばらく歩くだけで「これ絶対、電動モペットなんだろうな」という「自転車のフリ」はいくらでも見つかる。
都心から離れた埼玉県寄りの東京都区部、大きな商店街を母親と子どもが二人乗りで走る。ペダルを漕いでいないのにスーッと軽やか、まして惰力で走っているわけでもない、明らかな電動モペットだ。子どもは幼児用座席ではなくリアキャリアに跨っているだけ。
実際、これまでのルポルタージュでもそうした車両が交番の前を通っても警察官は無視だったり、違反車両の検挙のため路地に隠れる白バイのその路地から出てきた明らかに「違法なモペット」なのにスルーだったりもした。フードデリバリーの配達員があやしい電動モペットに乗る姿もコロナ禍からあったが多くは見逃されてきた。
11月1日からはそうはいかないかもしれないが、それでも遠くから走っている姿を確実に見極めるのは難しいだろう。
それでも、だからと言って「自転車のフリ」で「違法なモペット」を運転すれば、とくに事故を起こせば確実にバレる。
今回の一斉取り締まりでも新宿で飲酒運転かつ無免許で違法な状態のモペットを運転していたとして34歳の飲食店従業員が逮捕されている。彼のように飲酒・無免許・ナンバープレート未交付で走っている人なんているのかと思う方もいるかもしれないが新宿や池袋の深夜ともなれば普通に走っている。11月1日以降も走っている。
外国人の違法ユーザーも多いとされ、警視庁もモペットをはじめとする電動バイク、電動キックボードに関する日本の規則を知らない在日外国人の事故や違反が相次いでいるとして注意を呼びかけている。
ヘルメットとかナンバーとかカッコ悪い
都内にある国内正規ディーラーのバイクショップ店長はこう語る。
「そういう違法なモペットは任意保険どころか自賠責も入っていない。そういうユーザーが事故るのは自業自得かもしれないが、ぶつけられた車や人はたまったものじゃない。当て逃げだってあり得る。どこの誰かもわからない、どこの国の人かもわからない、そういう違法なモペットのユーザーが見逃されて走り回る状態は異常だったと思う」