11月1日からの改正道路交通法施行は多くから好意的に受け入れられていると同時に「遅すぎる」という声もあった。6月30日配信の拙ルポ『《11月から罰則つき違反決定》自転車「スマホながら運転」をする人たちの4つの目的”気づいてもスルー”な警察官もいる実態』から約4ヶ月、悪質な自転車だけでなく、新しいモビリティに対してようやく法が追いつこうとしている。
電動モペットそのものが悪いわけではない。きちんと「公道走行可」の商品で、その表示通りに道路運送車両法装の保安基準に適合した装備かつ、ナンバープレートの取得および掲示、自賠責保険の契約とヘルメット装着、そして肝心の「一般原動機付自転車等を運転することのできる運転免許証」があれば(法律上の義務はないが任意保険加入も強く推奨)、法的には公道を運転して構わないことになっている。
ともあれ「違法なモペット」は本当にいますぐ乗るのをやめて欲しい。一歩間違えれば自分の人生が狂うだけでなく他人の人生をも狂わせる。それなのに法改正などどこ吹く風で違法状態のモペット乗りが多すぎる。新宿の広場に集まる若者に今回の件を聞くと「でもしょうがないよ、ヘルメットとかナンバーとかカッコ悪いし」と言っていたが、カッコいい悪いの話ではない、法と命の話である。
警視庁もSNSでこう啓発している。最後に引く。
〈改正道路交通法施行により、ペダル付き電動バイクについては「ペダルを漕いで走行してもバイクの運転となる」ことが明確化されます。違法なモペットに、憧れるのをやめましょう〉
日野百草(ひの・ひゃくそう)/出版社勤務を経て、内外の社会問題や社会倫理のルポルタージュを手掛ける。日本ペンクラブ広報委員会委員。