「料亭」の入り口で、上半身が下着姿の綺麗で若い女性が笑顔でこちらに向かって手を振る。女性の傍らにいるおばちゃんも「試しに入ってみればええやろ」と客を誘い込む。大阪「新地」で見られる日常的な光景だ。「料亭」として営業しながら、“合法的”な売買春の場として、古くから続いてきた大阪の新地のひとつ「松島新地」(大阪市西区)が今大きく揺れている。複数の店舗が『売春防止法違反(場所提供業)』の疑いで、府警に摘発されたからだ。
「府警の捜査の端緒はある匿名の通報だったといいます。『知り合いの女性がホストでお金を支払えず、新地で働かせられている』といったものでした。慎重に捜査を進めた結果、ホストクラブを実質的に運営していた奥田千城容疑者(31)らの関与が浮上。直接の営業許可は別人の名義でとるなどしていたようですが、府警は奥田容疑者らがホストクラブと新地の料亭双方の実質的な経営者とみて捜査を進めています。奥田容疑者の母親や祖母も料亭の経営者として逮捕されています。