著者の松尾知枝氏。日本航空にCAとして勤務した後、婚活支援を行うという異色の経歴を持つ
最下層に属する日本のジェンダーギャップ指数「ジェンダーの呪い」から考える“昭和な呪い”
スイス非営利財団世界経済フォーラム(WEF)が発表している。世界各国の男女格差を数値化したジェンダーギャップ指数。2024年、日本は156か国中118位と低位に位置し、先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果であった。そんな状況も鑑みながら、松井氏は語る。
「未だに『女は家庭を守る存在』や、『男は大黒柱であるべき』といった古風な昭和な固定観念や偏見が、ジェンダー・バイアスとして残っている日本。こういったジェンダーバイアスは、ややもすると、仕事や教育、生活の場面で不平等を生み出し、個人の能力や選択肢を制限し、社会の多様性を損ないかねないのではないでしょうか……?
こちらのフレーズを読んでみてください。
『部長は大きな取引を成立させた』
『保育士は子どもたちの世話をした』
『パイロットは長距離フライトを無事に完了させた』
読んでみて、どちらの性別を思い浮かべましたか?
「部長」「パイロット」は男性を、「保育士」は女性を思い浮かべたのではないでしょうか。これが私たちが普段気づかずに持っている、ジェンダー・バイアスの一例です。政治、経済、教育、健康の4つの分野で男女平等の度合いを示すジェンダー・ギャップ指数でも日本は特に政治、経済の分野では女性の参加が少ないと指摘されています。
自分で好きに選んだ行動が結果として「男らしさ」「女らしさ」というジェンダーに結びつくのなら問題ないとして、やりたいことがあっても性別を理由に『男(女)らしくないんじゃない?』『女(男)のくせに』と言われてチャレンジすることを諦めるのは、まさにジェンダーの呪いではないでしょうか。」
そして、未だによく見聞きする典型的な“昭和なジェンダーの呪い”として松尾氏は、以下のようなフレーズを列挙する。