国内
連載『あなたの生きづらさ“昭和な呪い”のせいでした』

《”男子厨房に入らず””女子はお酌を”》今も息づく昭和の呪いに立ち向かうヒント『反応』ではなく『選択』を

ジェンダーギャップのイメージ(写真/Getty Images)

ジェンダーギャップのイメージ(写真/Getty Images)

 私たちの心に深く染み込んだ昭和的な価値観や固定観念────。それは、令和という新しい時代においても、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)として社会に暗い影を落とし続けている。

 例えば、「女性は結婚や出産を優先すべき」という刷り込みが、女性のキャリアの可能性を奪い取る現実。あるいは、年齢至上主義ともいえる「年功序列」の風潮が若者の声をかき消し、非効率な組織を生み出している現状。そして、結婚や子どもを持たない選択をした人々への偏見が、個人の自己肯定感を深く傷つける────。これらはすべて、時代遅れの価値観がもたらす副産物と言えるだろう。

 そんな“昭和な呪い”を解き放つために生まれた書籍、『あなたの生きづらさ“昭和な呪い”のせいでした』の著者であり、これまで3万人以上の婚活相談をサポートしてきた松尾知枝氏が、現代人が抱える「生きづらさ」の根源を指摘する。

 「これまで数多くの女性の婚活をサポートしてきました。その中で強く感じたのは、多くの方が“結婚したい”のではなく、“結婚しなくては”と無意識に自分を追い込んでいるという現実でした。この言葉に象徴されるように、私たちの中に根付く“昭和な呪い”は、気づかぬうちに生き方や考え方を制限しています」

 そして、松尾氏は“昭和な呪い”という無意識の束縛を解き放つ鍵は、その“呪い”の存在にまず気づくことだと言及する。

 職場や日常生活で何気なく使われ、無意識のうちに受け入れられている“昭和な呪い”的なフレーズの数々。松尾氏は、特に現代社会で議論の的となっているテーマに関連するものを厳選し、それらを「空気を読めの呪い」、「ジェンダーの呪い」、「24時間戦えますか?の呪い」、「年齢の呪い」、「ママなんだからの呪い」、「マウンティングの呪い」、「アットホームの呪い」という七つの「呪い」として体系的に分類した。

 今回は、「ジェンダーの呪い」について紹介していく。【全3回の第3回。第1回から読む

関連キーワード

関連記事

トピックス

「複数の刺し傷があった」被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと、手柄さんが見つかった自宅マンション
「ダンスをやっていて活発な人気者」「男の子にも好かれていたんじゃないかな」手柄玲奈さん(15)刺殺で同級生が涙の証言【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場(時事通信フォト)
「日本人は並ぶことに生きがいを感じている…」大阪・関西万博が開幕するも米国の掲示板サイトで辛辣コメント…訪日観光客に聞いた“万博に行かない理由”
NEWSポストセブン
ファンから心配の声が相次ぐジャスティン・ビーバー(dpa/時事通信フォト)
《ハイ状態では…?》ジャスティン・ビーバー(31)が投稿した家を燃やすアニメ動画で騒然、激変ビジュアルや相次ぐ“奇行”に心配する声続出
NEWSポストセブン
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で初の朝ドラ出演を果たしたソニン(時事通信フォト)
《朝ドラ初出演のソニン(42)》「毎日涙と鼻血が…」裸エプロンCDジャケットと陵辱される女子高生役を経て再ブレイクを果たした“並々ならぬプロ意識”と“ハチキン根性”
NEWSポストセブン
4月14日夜、さいたま市桜区のマンションで女子高校生の手柄玲奈さん(15)が刺殺された
「血だらけで逃げようとしたのか…」手柄玲奈さん(15)刺殺現場に残っていた“1キロ以上続く血痕”と住民が聞いた「この辺りで聞いたことのない声」【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン