滝川さんからすれば、単なる近況報告のつもりだったのでしょうし、ワンオペが大変だったことも事実でしょう。しかし、庶民側から見ると、滝川さんのワンオペは期間限定、しかも、夫が自民党総裁になれるかどうかの大勝負のときですから、家族として黙って協力してあげてほしい。ワンオペとは言いますが、いざという時には助けてくれる親族もいそうですし、どうしても人の手が足りないのであれば、誰かを雇うことだってできるはず。ワンオペの理由や意味するところが庶民とあまりにもかけはなれていることから、ネットから反感を買ってしまったのでした。
庶民に寄り添い好感度がアップした進次郎氏の母
滝川さんはタレントというよりも、知名度を活かした文化人的な活動をしていくのでしょうから、ネットからの好感度は気にする必要はまったくないでしょう。しかし、芸能人にとっては難しい時代と言えるのではないでしょうか。そもそも、キラキラしているから芸能人になれたのに、恵まれていることがネックとなるとしたら、どうすればいいのでしょう。
その答えは、滝川さんの「幻のお姑さん」、進次郎さんの父上・小泉純一郎元総理大臣と離婚された進次郎さんの母がよくご存じだと言えるのではないでしょうか。
ノンフィクション作家・石井妙子さんの「日本の血脈」(文藝春秋)によると、進次郎さんのお母さんにあたる女性は製薬会社の社長令嬢で、大学を卒業したと同時に結婚しています。政治家の家に育ったわけでもない、東京育ちのお嬢さまが地縁のない横須賀にやってきて苦労したことは想像に難くないのですが、実は地元の人にとても評判がよかったそうなのです。同書によると、孝太郎さんが生まれたとき、孝太郎さんをおんぶして近所の公園を掃除するように婦人会の人に言われ、彼女は素直に従ったそうです。すると、近所の人が話かけてくれるようになり、「お嫁さん、偉いわね」と好感度が上がっていったそうです。
本来なら、進次郎さんのお母さんは、公園を掃除する義務はないはずです。けれど、国政を担う有名政治家を輩出している小泉家のお嫁さんが、率先して公共の場所を掃除する、つまり「私もみなさんと同じ市民であり、母親です」とあえて庶民に歩みよる姿勢を見せたことが、好感度につながったのではないでしょうか。赤ちゃんをおんぶしていることが、会話の糸口になったことは言うまでもありません。