「メディアは一切信用していません」
神戸市に住む高田会里香 (えりか・54)は、告示日直後に期日前投票で斎藤に投票した後、5回以上も街頭演説を聞いている。「斎藤さんほどピュアで、クリーンな人はいません。何度話を聞いても感動するんです」と言う。
「メディアは一切信用していません。テレビは見ませんし、新聞も取っていません。メディアが一斉にだれかを攻撃するときは必ずウソがある、と思っています。結局、斎藤さんは利権に切り込んでいったから足を引っ張られたんです。だれが利権側かですか? 県のOBや井戸(敏三・前知事)派の職員たち、県庁舎の建設で儲かるはずだった土建屋とかですかね。
そうした思いの裏には、私自身が結構な税金を払っているのに、あまり恩恵を受けていないという不満があります。それに、立花さんなどのユーチューブを見て、“真実”を知るようになり、いろんなことが納得できました」(高田)
斎藤支持者のメディア不信は根深い。加古川市に住む鈴木誠 (57)はこう断ずる。
「メディアは不公平。不確かな情報で斎藤さんを断罪するような報道は異常でした。間違った報道を訂正しないのはおかしい。この選挙に関しては、ネットの情報が一番正しい」と言い切る。
けれども、既存メディアの報道のどの部分が間違っていたのかと訊けば、「報道はフェアじゃない」という主張を繰り返すだけで、具体的に間違っている箇所は分からずじまいだった。
公益通報保護法には告発者探しをしてはいけないという規定があるのではないか、と問えば、「3月の文章は怪文書で、4月に公益通報したのは後出しじゃんけんのようなもの。斎藤さんの処分は正しかった」と答える。
おねだりやパワハラには一部に事実と信じることができる部分もあったが、と訊けば、
「それは斎藤さんの嘘八百といった表現が強すぎただけで、その点は本人も反省している」と反論する。
元県民局長が「一死をもって抗議する」というメッセージを残していることについてどう思うか、と問えば、「本当に本人のメッセージなのかどうか確認できない」と言う。
では何が原因で元県民局長が亡くなったのかと訊けば、公用PCに入っていた私的な醜聞のせいだった、と語る。