祖父が語った「ひき逃げ」
祖父は孫の「ひき逃げ」については“ある言い分”があるという。
「與一はある企業の正社員募集で入社して、6ヶ月の試用期間があける時期だったの。母親が言うには、その正式採用かどうかという時期にコロナに罹ってしまって『しばらく休め』と言われていたそうなんです。結局、いつまでも休んではいられず会社にも出たけど、後遺症でうまいように働けず……。
(事件)当日も母親が與一に会っているんですが、コロナの後遺症のせいかフラフラだったと話してるんだよ」
事故があった日、容疑者は体調が悪いため正常な判断ができず、現場から逃走してしまったということだろうか。さらにこう続けた。
「俺は状況からして、與一はもう死んでると思ってる。別府湾の近くを裸足で歩いていて、スマホも財布も持たずに車に置いたまま逃げたことになっている。計画性があったなら、そういうことはしないはず。
そもそも、車でひいて殺しても與一にはなんの得にもならない。殺人を犯す必然性がないんだ。報道にある“暴力性”みたいなものはまったくないし、優しい子どもだった。おそらく突然のことで、なにも考えずに行動しているわけだ。
当時は天候も悪かったし、着るものも金も持たずに歩いていて、生きているわけがない。與一のシャツが別府湾のところに脱ぎ捨ててあったから、入水自殺をしたんじゃないかと思う」