国民の政治不信が極限まで高まり、昨年の総選挙では自民・公明の与党が15年ぶりの過半数割れに追い込まれた。そうしたなか支持を集めたのが、玉木雄一郎氏率いる国民民主党だった。夏に参院選を控える2025年も、玉木氏が“政界に嵐を巻き起こす男”となるのは確実だ。不祥事からの“禊”を経たうえで、日本政治にどのような変革を起こすつもりなのか。新たな年の幕開けに、その決意を問うた。【全3回の第1回】
内閣不信任案への賛成も
改めて2024年を振り返ると、世界の政治が大きく揺れた1年でした。米国ではトランプ氏が大統領選に勝利し、フランス・ドイツでは政権が倒れた。韓国は戒厳令を発端に大混乱が起きています。日本でも衆院選で自民・公明が過半数割れ。そうした激動の只中に、われわれ国民民主党もいるのだと感じています。
世界はどんどん「分断」の方向に進み、極端なことを言う政治家や政党に票が集まる傾向がありますが、われわれは「対決より解決」「意見が違っても合意形成が大事」とまともに訴えて、議席を4倍に増やした。そんな政党は世界でもわれわれだけではないでしょうか。
〈国民民主党は先の衆院選で躍進。比例票で公明党を上回る617万票を獲得した。12月の各種世論調査での政党支持率は立憲民主党を抜いて野党1位になった。20代以下や30代の支持率では自民党も上回り、若者からの支持が集中している。〉
与党過半数割れの結果、衆院は「ハング・パーラメント」と呼ばれる宙吊り国会になりました。これは、「自民・公明だけで物事を決めるな」という民意の表われであると捉えています。
より幅広く様々な意見を聞くよう求める国民に対して、与党はもちろん野党も大きな責任を負っている。過半数割れした自公に対し、何でも反対、予算も法案もとにかく邪魔するようでは、野党もまた民意に見放されるでしょう。
どの世論調査でも40歳以下の支持率で国民民主党が1位になっているのは、今まで政治が光を当ててこなかった現役世代、若者、学生の「静かな反乱」だと考えています。