〈総選挙で現役世代の支持を集めたのが、「手取りを増やす」というキャッチフレーズだった。具体的には「103万円の壁」と呼ばれる所得税の基礎控除引き上げだ。選挙後の国民民主党と自公の政策協議では「103万円の壁」をめぐり激しい攻防が続いた。7月に参議院選挙が控えるなか、国民民主がどう動くかにも注目が集まる。〉
臨時国会の補正予算は国民民主のほかに日本維新の会も協力して成立しましたが、25年度の本予算ではどうなるかはわかりません。
われわれが自民党と政策ごとに交渉するのは、国民に約束した政策を実現するためで、石破内閣の延命のためではない。自公の協力が得られないのであれば交渉から離脱します。自民・公明だけでは予算は通らないので“どうするんですか?”という話になる。
あまりにも不誠実なら野党で協力して内閣不信任案を提出することもありうる。少数与党のもとでは可決されますから、石破政権も存続が難しくなるギリギリの状況に入っていく。
今は粘り強く交渉を続けていますが、国民との約束を果たすための協力が得られないなら、交渉を離脱し、政策の実現に向けて次の参院選や衆院選で、もう一段の力を与えてくださいと訴え、選挙を戦うしかありません。
参院選が変革のスタート
先の衆院選と同様、夏の参院選でも自公が過半数割れする可能性は高いでしょう。両院がハング・パーラメントとなれば、安定した政権の枠組みをつくる本格的な議論になるはず。総理が誰になるかを含め、日本政治が誰も想像ができない姿になるかもしれません。
私は小選挙区と比例代表の組み合わせである今の選挙制度のもとでは、二大政党制は無理だと言ってきました。3~5つの政党が協力する穏健な多党制の時代に入らざるを得ないと考えています。