こう聞くと後ろの方に座りたくなるが、年末年始やお盆などの繁忙期は自由に座席を選べないことも。やはり避けるべきは、前方座席なのだろうか。運輸事故調査システムの構築に寄与した、関西大学名誉教授の安部誠治さんが語る。
「どんな事故が起こるかによって生存率が高い席は変わります。御巣鷹山のように機首から突っ込んだ場合は後方座席の人が助かる可能性が高い一方で、滑走路に後方がぶつかる『尻もち事故』のように、機体後方が破壊される事故もある。ただ、強いて言えば、後方座席の方が生き残りやすいというのはあるかもしれません。また、窓側より通路側の方が身動きを取りやすく逃げやすいので、迷ったら通路側を選ぶといいかもしれません」
非常時に乗員の手伝いを求められるが、足が伸ばせるなどの理由で選ばれる非常口席も安全性は高い。英グリニッジ大学が2011年に、105件の旅客機事故の座席表を分析し、2000人超の生存者から話を聞いてまとめた研究によれば、最も生存率が高かったのは、早めに脱出できるという理由で、非常口のすぐ隣かその前後1列にいた乗客だったという。非常口の前後5列以内は生存率が上がるとも報告されている。
もしものときの生存率を高めたい人は、「後方座席、通路側、非常口付近」を選んでみてはどうだろうか。
※女性セブン2025年1月16・23日号