「といっても、ハッピーなだけのロマンスは描きませんよ。すれ違い、行き違い、周囲からの反対……僕自身も経験してきた、恋愛するうえでのハプニングやアクシデントを入れて描いています。誰しも、そういう恋愛のほうが思い出に残っていますよね?
そして、ファンタジーなら、そうした“壁”をプラスアルファで表現できます。製作総指揮として、脚本家とも話し合いながらストーリーを練りました」
映画監督があえて舞台を演出することで、映画と舞台の両方の特徴をうまくミックスできるのではないか、とも考えているという。
「映画はカメラが表現している役者に近づくのに比べ、舞台は役者が観客に近づいて表現します。その距離感が違うので、当然、表現の仕方にも違いがあります。意外かもしれませんが、映画俳優はセリフをあまり覚えてこない。そのかわり、その役の感情をよく理解して現場にくる。一方、舞台俳優はセリフは完璧に入っているんだけど、エモーションが薄い。両方の良い点をうまく表現できたら嬉しいな、と思っています」