手がけてきた多くの作品が、世界の映画祭で数々の映画賞を受賞してきたジャッキー・ウーさん。2025年は初めて手がけるミュージカルが上演される。そのミュージカル『もう一度抱きしめたい』はラブファンタジー。これまで作品を作るうえで「老い」や「認知症」などをテーマとしてきたジャッキーさんとしては、ロマンスを手がけるのも初めてだという。
2020年には元フジテレビアナウンサーの河野景子さん(60)との結婚宣言でも話題になった。大きな心境の変化があったのだろうか。ジャッキーさんに聞いた。【前後編の後編。前編から読む】
ミュージカルで表現したいこととは
「これまでは“生病老死”という、あらゆる人間の逃れられない苦しみや差別、人間が内に秘めているアンバランスさを描いてきました。それが、僕にとっていちばん関心のあるテーマなので。だから、予定調和なハッピーエンドのラブストーリーを扱ったことはありません。
ただ、ミュージカルに“生病老死”のテーマはそぐわないじゃないですか。この舞台でラブストーリーを手がけることになったのは、そういう理由からですよ」
たしかに、病や老いを踊りや歌で表現するのは難しそうそうだ。