バスの車内で立ち上がって激励
困難な状況にある人の元へ駆けつけ、思いを同じくする──これは、美智子さまから受け継がれたものだ。
「国民と直接交流する被災地訪問は、皇后にとって最も重要な公務のひとつです。美智子さまも何度も神戸に足を運ばれています」(皇室ジャーナリスト)
最初のご訪問は1995年1月末のこと。火事で焼け野原となった菅原市場(長田区)を訪問された美智子さまは、がれきの上に、皇居に咲いていた17本の水仙でお作りになった花束を手向けられた。海外では希望の象徴といわれる水仙は、被災者の心に希望の光をともした。花にまつわるエピソードはほかにもある。
「2005年の追悼式典で美智子さまは、東灘区のがれきの山の上に一面の花を咲かせて『復興のシンボルフラワー』と呼ばれたひまわりの種を持ち帰られました。その種は皇居でも芽を出し、大きく花を開かせました。
その話を美智子さまから聞かれていたのでしょう、2010年に神戸を訪問された雅子さまは、美智子さまに種を渡した女性に『大事に育てさせてもらっています』とお礼を述べられたそうです。美智子さまと雅子さまは、被災地訪問への思いや経験をも共有されているのです」(前出・皇室記者)
昨年12月、能登半島地震の被災地を訪問された雅子さまの振る舞いが、美智子さまのなさりようを彷彿とさせた場面もあった。