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《増える脱毛サロン倒産》3か月給料未払いの元従業員が悲痛告白、友人を多数勧誘もあっという間に倒産「仲の良かった高校時代の部活友達と縁が切れた」

医療脱毛大手「アリシアクリニック」運営法人が2024年12月に倒産した(時事通信フォト)

医療脱毛大手「アリシアクリニック」運営法人が2024年12月に倒産した(時事通信フォト)

 エステティック市場は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で縮小したと分析されているが、脱毛市場に限っては急成長しているといわれている。その一方でトラブルも増加しており、国民生活センターによると脱毛エステに関する相談件数は2022年に1万9125件、2023年も1万9件と、それ以前は5000件以下だったことを思うと激増と言える。そのうち倒産による相談も数百件で推移していたのが2022年は6786件、2023年は4657件で2024年以降も高水準が予想される。これらの相談はすべて消費者、代金を支払った客側によるものだが、倒産となると元従業員など仕事で関わっていた人たちも影響を被っているようだ。ライターの宮添優氏が、金銭や仕事を失うだけでなく、社会から孤立したような立場に追い込まれている元従業員たちの声を聞いた。

 * * *
 2024年の1月から11月までの間に「脱毛サロン」の倒産は14件発生し過去最多となったと報じられた(帝国データバンク調べ)。この報道のわずか2日前、12月10日に過去最大の被害者数、被害額とみられる大型倒産が明るみに出た。「医療脱毛」をうたい営業していた脱毛サロン大手の「アリシアクリニック」運営法人が、関連法人とあわせて総額約124億7133万円という巨額の負債を抱え倒産したのだ。返金されないなどの被害を被った利用者が主な構成となる債権者数は、なんと9万1818人に及ぶ。

 近年、脱毛を主な業とする界隈では同規模かそれ以上の倒産が相次いでいる。2023年には追加料金なし・回数無制限の通い放題プランで知られた女性専用脱毛サロン「C3(シースリー)」運営会社が破産、債権者約4万6000人に対し負債総額約80億円となった。調査会社が捕捉する法人や事業者であれば報じられたり統計にまとめられるだろうが、そこに加えられていない小規模事業者の倒産や閉業などが暗数として存在することを考えると、脱毛事業者の倒産閉業による被害はもっと多いだろう。当然、支払い額の被害回復を求める声が上がるが、先方は「ないものはない」という状態だからこそ倒産しているので、多くは、ほとんど泣き寝入りを強いられているも同然の状況だ。

 いきなり倒産した脱毛サロンで働いていた従業員たちの数も相当数にのぼる。12月に倒産した「アリシアクリニック」だけをみても、従業員約1500名が12月10日付で解雇されている。突然、解雇されたり仕事がなくなるという不幸に見舞われたという意味では被害者に数えられてもおかしくないだろうが、料金を払ったのに施術を受けられなくなった利用者からは「詐欺の片棒を担いだ」くらいに恨まれているかもしれない。だが、サロンで働いていた人たちも、かなりきつい状況に追い込まれている。

私自身が騙したと指摘され

「本当に仲の良かった高校時代の部活友達とは、この件で縁が切れてしまいました。もちろん、悪いのは私です。ただ、あの時は、私自身が本当に良いと思っていて、だから勧めたんです。それを私自身が騙したんだ、と指摘されるようになりました。今はもう、返す言葉がありません」

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