──そのとき、結婚に踏み切れなかった理由は?
「あるとき、俺の名字でその子の名前で通帳を作ってきた。当時はまだ通帳の名義も厳しくなかったから。で、『これからは、ここに給料を入れて欲しい』と。結婚に前向きだというアピールをすれば、俺が喜ぶと思ったんだろうね。でも俺は、その行動に引いちゃった。なんで、俺が稼いだ金を管理されなきゃいけないんだと。そんな俺を見て、喜んでないなって分かったんだと思う。『やりたいことがあるなら、私のことは気にしないで』と、彼女の方から離れていった」
──その後は、結婚を考えるようなことはなかったんですか。
「その時の時代で、自分にとって立ち向かうべき『課題』みたいなものがあるんだよ。20代の頃は『寄席』、30代では『エンタの神様』(日本テレビ系)、40代は『あらびき団』(TBS系)と東日本大震災、50代にはコロナと『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。その世代世代で、“これをやらなきゃ”っていうものが常にあって、結婚を考えている隙間がなかった」
──女性が入る隙間もなかった?
「いやまぁ、その辺はお店もあるしさ。俺は、性格的に1回指名すると情が移って、ずっとその子だけになることが多い。そのうち一番の客になって、店の外で会ったりするようにも。そうなるともう、彼女要らないじゃない。その子が業界からアガって田舎へ帰るときには、駅まで見送りに行って、手を出させて5万円ぐらい握らせる。『お母さんに、なんか買ってやれ』って」