──そこで永野市長と出会ったわけですね。
「はい、そうですね。これまで5人の子供を産んで育てていますので、育休・産休を取りながら、途中からは会計など事務方にまわっていました」
──今も新卒入社した施設の職員なのですか。
「現在は、その施設の事業を発展させた一般社団法人で事務局を務めています。簡単に言うと、寄附を募って近畿地方の児童養護施設などで生活する高校3年生を対象に、大学受験時に7万円を支援するという活動をしています。7万円というのは大学2校分の受験料をイメージしています。
私自身、多くのお子さんと接する中で、大人になって『大学に行きたかった』という声をたくさん聞いてきました。もしお金に余裕があったら、少し難しい大学にチャレンジしたい、という方も多い。養護施設出身者の大学進学率はものすごく低いので、それを少しでも改善できたら良いと思って、取り組んでいます。生活保護世帯の家庭よりも、進学率は低いんです」
──5人の子育てに加えて、市議会議員に養護施設の改善とやりたいことがたくさんあってパワフルですね。
「主人のことで、岸和田市がとても混乱してしまっていることは誠に申し訳ないと思います。一方で、SNSを中心に事実ではないことが事実であるかのように広がっていくことが怖いです。主人も苦しいかも知れませんが、私自身は私自身で選挙にむけて頑張るつもりです」
──最後に、もし市議に当選したら、市議会は市長に再び不信任決議をすることが予想されます。そこでは反対するのでしょうか。
「同じ事をある新聞社からの調査票で聞かれました。反対、と回答しましたが、内容によってだと思っています。前回と同じ内容であれば反対です」
紗代さんは年末の市長の会見に同席した大人しそうな印象とは異なり、ハキハキとした受け答えが印象的だった。
(了。前編から読む)