O-1発の「全国区芸人」
護得久栄昇はその後、沖縄を代表する人気キャラクターとなり、CM等に引っ張りだこの存在になる。今やハンサムの金城博之は、沖縄芸人の夢である年収1000万円超え芸人になったとも言われている。
「いちばんよかったときの月収を『×12』にしたら……という程度で。実際は、そうでもないんですよ」
沖縄に執着することで笑いの広がりという意味では狭まる気もするが、仲座はこう力説する。
「O−1で勝っても食えないという芸人もいますけど、そんなことはない。O−1には夢がある。僕らは人生、変わりましたから。O-1は独特な大会だけど、別にオンリーワンを目指しているわけではないんです。沖縄の芸人はまだまだ力不足なところもあるけど、かといって、沖縄のお笑いが本土の笑いより下だとは思ってない。オンリーワンを突き詰めた先に、ナンバーワンがあると思ってやっているんで」
1990年代、沖縄アクターズスクールが輩出した安室奈美恵やSPEED、そして2000年前後に台頭してきたMONGOL800やORANGE RANGEらのロックバンド、そして今、カリスマ的人気を誇る女性ラッパーAwichなど、沖縄の芸能の力は実証済みである。仲座が続ける。
「O-1で名前を売って、そこから全国で売れるという前例がないので、今はまだなかなかその像をイメージすることができない。でも、ありんくりんでも誰でもいいんですけど、その道筋さえつけば、あとは一気に続くんじゃないかと思っているんですよ」
ハンサムは一昨年から始まったフジテレビ系列の全国的な漫才コンテスト、THE SECONDに今年、初参戦する予定だという。