芸能

沖縄芸人が語る「O-1から全国へ」の野望 「沖縄のお笑いが本土の笑いより下だとは思ってない」「沖縄芸人に舐められない沖縄ネタをやりたい」

ハンサムの金城博之扮する護得久栄昇(左)は沖縄で大人気。右が相方の仲座健太

ハンサムの金城博之扮する護得久栄昇(左)は沖縄で大人気。右が相方の仲座健太

 令和ロマンの2連覇で過去最高とも言われる盛り上がりを見せたM-1グランプリ。その裏で、沖縄芸人たちは「O-1グランプリ」の熱闘を繰り広げていた――。そこには、沖縄出身で「沖縄ネタ」と向き合う難しさや、全国区進出にあたってのハードルなど、沖縄芸人ならではの知られざる暗闘があった。ノンフィクションライターの中村計氏がレポートする。【前後編の後編。前編から読む

 * * *
 あまり知られていないが、沖縄は「お笑いの島」だ。地元のFECオフィスやオリジン、さらには吉本興業という3つの主要なお笑い系のタレント事務所が共存している。

 沖縄にお笑い王国・吉本興業の芸人養成所であるNSCが開校したのは2011年のことだ。沖縄の芸能事務所は吉本の進出に震え上がったそうだが、それから10年以上経った今も、吉本は沖縄県内のいち事務所というポジションのままだ。沖縄は吉本に制圧されなかった唯一のエリアでもある。

 歌、踊り、芝居など古くから芸能が盛んだった沖縄では、大阪や東京のお笑いの方程式だけでは解答が得られない何かがある。

 4年のブランクを経て、昨年からまたO-1の舞台に戻ってきたベテランコンビ・ハンサムの仲座健太はその「何か」をこう語る。

「大阪、東京の芸人とのいちばんの違いは『沖縄でやっていく』って決めている人たちが多いということじゃないですか。モテたいとか、お金を稼ぎたいというのもあるとは思うんですけど、沖縄芸人の最大のモチベーションは何よりも自分の生まれ育ったこの場所の人たちに笑いを提供したい、っていうことなんですよ」

 O−1をきっかけに大ブレイクしたコンビのうちの1つがハンサムだ。ハンサムは2017年、護得久栄昇(ごえく・えいしょう)という沖縄の尊大な年配者をイメージした沖縄民謡の師範役を創出し、優勝は逃したものの、王者を食うほどのインパクトを残した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットの幸せな日々》小室眞子さんは「コーヒー1杯470円」“インスタ映え”カフェでマカロンをたびたび購入 “小室圭さんの年収4000万円”でも堅実なライフスタイル
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん(2025年5月)
《英才教育》小室眞子さんと小室圭さん、コネチカット州背景に“2人だけの力で”子どもを育てる覚悟
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
【ステーキの焼き方に一家言】産後の小室眞子さんを支えるパパ・小室圭さんの“自慢の手料理”とは 「20年以上お弁当手作り」母・佳代さんの“食育”の影響
NEWSポストセブン