佳子さまは昨年30才になられた(2025年1月、東京・豊島区、JMPA)
「配偶者と子どもの身分」という大問題
愛子さまや佳子さまは熱心に公務に臨まれ、お出ましになれば人々から歓声が沸く。たしかに「長く皇族として活動してほしい」という国民感情はあるだろう。しかし、愛子さまや佳子さまの「身分保持」案には、高すぎるハードルがある。それは「女性皇族の夫と子供の身分」という点だ。前出の菅野さんが指摘する。
「配偶者や子供を一般国民とするなら、たとえば、選挙に立候補することはできるのか? どこかの政党を応援できるのか? 表現の自由はどこまで保障されるのか?と疑問ばかりが浮かびます。結局は皇族並みに行動や言動を制限されるのは明らかです」
日常の営みに目を向ければ、その歪さは際立つ。
「そもそもお住まいはどうなるのか。天皇陛下や皇族方が暮らす皇居や赤坂御用地は国有財産です。そこに一般人の夫や子供が暮らすことはできません。お金の問題もあります。当然、皇族ですから税金から生活費や活動費が出されます。ですが、それはあくまで皇族に渡されるもので、一般人の夫や子供が使うことは許されません」(前出・皇室ジャーナリスト)
そうした歪で不自由な暮らしを強いられるなら、女性皇族と結婚しようとする男性はおのずと限られ、愛子さまや佳子さま自身も、不自然な環境のもとで生きていかなくてはならない夫や子供を持つことに、抵抗感を覚えられても仕方ない。
一方で、夫と子供に皇族の身分を与える案に対しては、「母方から天皇の血を引く『女系天皇』の容認につながりかねない」として、保守層の反対の声が大きい。