事件があったススキノのホテルの浴室(利用者提供)
娘についての夫婦の「不穏なLINEやり取り」
2023年5月28日、浩子被告は修被告から、瑠奈被告がクラブで意気投合した男性とカラオケに行ったとの連絡を受けた。それに対し、浩子被告は「すごい」と返信。普段引きこもっている瑠奈被告が、行動を起こしたことに「画期的だ」と感じたという。この男性こそ、この事件の被害者であった。
当初は喜んでいた浩子被告であったが、家に帰った瑠奈被告から聞かされた話に愕然とする。連れて行かれたのはホテルで、経験がなかった瑠奈被告は逃げ方もわからず、結局初めての性行為を了承した。しかし、数度の性行為の中で、約束していた避妊具が装着されなかったことがあり、レイプされた思いであることを聞かされた(父・修被告は昨年10月の公判で、この日の娘について「おそらくそう(初体験)だと思う」と供述している)。
その後、一週間ほどで瑠奈被告は被害者を探すと言い始める。しかしそのころには、当日の怒りはなく、避妊具をしなかったことへの謝罪を求めるのと、次は自分が主導でSMプレイをしたいとの思いに変化したのだという。
そして再会した被害者に、瑠奈被告は手をかけたのであった——後編記事では、事件当日の瑠奈被告の様子や、自宅の浴室で起きていた出来事について詳報する。
(後編につづく)
◆取材・文/普通(ライター)