気配と視線の“答え合わせ”
【その後は何も発生せず、6時でオバケ調査は終了。オーナーの島崎さんと一緒に、3回感じた気配や視線が、退去した入居者たちと同じかどうかを確認することに】
「島崎さん。指を天井に向けて1、2、3で同時に気配と視線の場所を指さすというのはどうですか?」
「いいですよ。その方がわかりやすいですよね」
そして島崎さんと私は天井に人差し指を向けます。
「1、2、3、ハイ」
2本の指が示したのは、ベランダを正面に見て右側。夜中に気配を感じたその場所でした。
「同じ場所。やはり児玉さんも感じられたんですね」
「そうみたいですね……」
「この後はどうなりますか? この部屋は児玉さんのカチモードで借り上げをする対象になりそうですか?」
「はい。再調査もさせていただきたいですし、何もない空間からあんなにハッキリと気配や視線を感じたこともありませんので、借り上げをさせていただきます」
「ありがとうございます。よかったです!」
「ああ、あと島崎さん」
「なんですか?」
「あの……、合計3回、気配と視線を感じたんですが、実は先ほど指した場所は1回目と2回目にそう感じた場所だったんです」
「はぁ……。では3回目は?」
「3回目は真後ろから感じたんです。資料作成をしていたら、それを覗き込まれる感じで……」
「えっ? それは今指さした場所から動いた、ということですか?」
「動いたかどうかはわかりませんが、3回目は突然、それの発生する場所が変わったんです」
「そうですか……。真後ろから覗き込まれたと……」
〈中略〉