NYの“貧乏飯”といえばベーグルなのだとか(「地獄海外難民」氏のXより)
生活費をまかなう“収入”のリアル
さて、月に約70万円もの生活費を、一体どうやって稼げばいいのでしょうか。
僕の職種は大工ですが、見習い期間3年目なので、今の時給は24ドル(3600円)になります。月の平均額は2880ドル(43万2000円)ぐらい。
そこから税金がおよそ26%引かれて、約2100ドル(約31万5000円)になります。
また、アメリカで働く時は基本、会社から交通費が出ません。平均して月に360?480ドル(5万4000~7万2000円)くらいかかります。
また、大工は道具代が自腹になります。一応、電気ツールなどは会社支給ですが、手動で使う工具はすべて自己負担です。
消耗したり、なくなったり、盗まれたりで毎月100ドル(1万5000円)くらい使います。アメリカでは一度なくしたら確実に盗まれます。名前が書いてあっても、おかまいなしです。
さらに、大工組合に毎月200ドル(3万円)の組合費を払う必要があります。
ということで、ひと月の手取りはおおよそ1440ドル(約21万6000円)です。1年を通してみると、月の平均手取り額は20万?22万円くらいになります。
ただし前にも触れたように、大工は1年中仕事があるとは限りません。レイオフ(解雇)期間が2か月くらいはあります。
また、僕は見習い中なので年に1か月間は技術学校に行かないといけませんが、当然これらの間のお給料は出ません。だから、1年のうち3か月間は無給になってしまいます。
このように、大工の仕事だけでは生活費が足りないどころか、とても家賃にも届かないのが現状です。
そこで、大工の仕事が終わった後の夜間や週末などに、フードデリバリー、ライドシェア、YouTubeなどの副業で何とか生活費を工面しています。だいたい本業と副業合わせて年収4万2000~4万8000ドルになります。