1985年にNHKを退局後、フリーに(時事通信フォト・1993年)
司会のオファーを最初は断った
去年11月の特番の反響が「おもしろかった」「よく放送してくれた」と意外に大きくて、次の特番も予定されているようです。やはり38年積み重ねてきた歴史は簡単には忘れられるものではなく、今も楽しみにしてくださる方がいらっしゃるのですね。大変嬉しいことです。
総集編などで改めて番組を振り返ってみますと、私たちがやってきた番組は質的に決して悪いものではなかった、と感じます。レギュラー放送の最終回で申し上げたとおり、38年というのは1人のキャリア人生に匹敵する大変な長さ。日本のテレビ放送の歴史の中でも、とくに土曜の夜に38年も続いた番組というのは記録がありません。それだけ大勢の方に楽しんでいただけて、誇らしく思っています。
番組は1986年4月に放送が始まりましたが、最初に番組のオファーをいただいたときは、実は即座にお断りしたんです。「無理です」と。私はその前年にNHKを退局しフリーになったばかり。NHKのアナウンサー時代は報道やスポーツが多く、エンターテインメントはまったくやったことがありませんでしたから。
ところが、1週間ほどして、どうしてもと懇願されてTBSのすぐ近くのレストランで関係者らと会いました。提案書を渡され開いてみますと、1ページ目に「あなたもインディ・ジョーンズになってみたいとは思いませんか?」とありました。さらに“知識を覚えるだけの歴史ではなく、歴史を楽しむ番組にしたい”というではありませんか。プロデューサーら7〜8人のスタッフと2〜3時間話をするうち、「おもしろそうだな」と思うようになり、お引き受けするに至りました。