“基本的に冷静に伝える”ということを心がけていた草野さん

“基本的に冷静に伝える”ということを心がけていた草野さん

脱退信者のタレントに統一教会について聞けなかった悔恨

 情報番組において一番大切なことは、視聴者が知りたいと思っている情報をしっかりと取り上げて、その核心部分をきっちり、わかりやすく伝えなければならないんだ、ということですね。そして“基本的に冷静に伝える”ということも、心がけておりました。若い頃は、意外かもしれませんが“瞬間湯沸かし器”だった私です。感情を表に出すこともありましたが、それは極めて限られた場合。心の中は熱くても、冷静に、わかりやすく、内容をしっかり伝えることが一番大事だと思っておりました。

 実は、『ザ・ワイド』がスタートした当時は、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)による霊感商法などで多額のお金をめしあげられる被害を受け、苦しんでいる若者が大勢いるという状況でした。

 『ザ・ワイド』には統一教会を脱会できたタレントが、私と一緒に司会を担当しておりました。ところが、私は統一教会の問題を扱うときに、すぐ横にいるタレントさんには何も聞かず、1人飛び越えて弁護士の先生に話を振ったりしておりました。

 それをテレビで見ていた漫画家のやくみつるさんが、週刊誌の4コマ漫画に“草野は何をやっているんだ”というような内容を載せたことがありました。たしかに、視聴者が一番聞きたいのはそのタレントの声。でも、私にはそのタレントさんに聞けない事情がありました。その事情はここでは語れませんが、視聴者のみなさんはそのことを知りませんから、そのような指摘を受けても不思議はないですね。それだけに後のオウム報道では真実に肉薄する伝え方を追求しました。

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