この頃の情報番組は切り込んでいないように感じるという(時事通信フォト・2006年)
旧統一教会の問題が続いていたことに驚いた
3年前、旧統一教会も相当話題になりましたね。我々が『ザ・ワイド』で取り上げてから30年以上経ってもなお、問題が続いていたことに正直、驚きました。いったんは問題にしておきながら、我々マスコミはそれを途中で引いてしまい、見逃したようなかたちになってしまっていました。それはおかしいし、マスコミが弱いのだと思いますね。取り上げ続けるべきでした。
この頃の情報番組は今、視聴者や一般国民が知りたいと思っていることに切り込んでいないように感じます。そうなった原因の1つは予算の削減です。1990年代前半にバブルが崩壊し、10年後ぐらいにテレビ業界にもその影響が出始めました。1番組あたりの予算が削られ、今では番組が独自取材でカメラクルーを出すことは、基本的にどこも難しくなってきているようです。
その結果、出演料が手ごろな芸能人らを集め、他愛もない話をする──どの局も同じような映像になってしまっています。今はテレビにとって非常に苦しい時期ではありますが、おもしろい番組を作ろうというイキのいい人間が、視聴者が今一番知りたいと思っていることに切り込み反響を得られるよう、がんばるしかないと思いますね。
続編では、自ら申し出た『旅サラダ』司会降板の真相、妻と幼い子どもを連れて競馬場で1人レースに没頭していた新婚時代、健康の秘訣などについて語っている。
取材・文/中野裕子(ジャーナリスト) 撮影/山口比佐夫