初めて犯罪に手を染めたのは中学1年生の時だという
石川県に夜逃げ
〈今回は誠に勝手ながら私の生い立ちから一審の判決までを記述させていただきます。限りがございますため大まかに記述する形となってしまいますが何卒ご了承願います〉(永田被告の手記。以下〈〉内同)
丁寧な前置きから始まる便箋7枚の手記は、永田被告が東京拘置所で記したものだ。2022年11月当時、石川県内に住んでいた彼は「闇バイト」に応募したのち、他の実行役らと共に、神奈川県秦野市の空き巣、東京都中野区での強盗、広島県での店舗兼住宅への強盗殺人未遂、千葉県大網白里市での強盗に及ぶ。そして2023年1月19日、他の実行役らとともに狛江市の強盗致死事件を起こし、その翌日、東京都足立区における空き巣事件の最中に職務質問を受け逮捕された。
約3か月の間に6件もの重大事件に関わった永田被告は、手記のなかで中学1年生の頃から悪事を働いていたと説明している。
〈犯罪の内容で言えば未成年喫煙&飲酒、窃盗、器物破損、住居&建造物侵入、放火などでした。加えて私は学校で弱い者いじめもしておりました。当時はヤンチャをしている先輩が格好良いと思っており、“悪い事=格好良い”という認識で毎日を楽しく過ごしていました〉
当然ながら、こうした行動から嫌われ、逆にいじめに遭ったという。孤立した永田被告は〈悪い事をしていたから嫌われたんだ。今から人の役に立とう〉と、介護福祉施設でのボランティアを始め、介護福祉士を目指せる高校に進学した。だが、“悪い事をしない時間”は、そう長くは続かなかったとも説明する。ほどなく悪事を再開し、しかもエスカレートしてゆく。
〈今、思えばその志を抱き続けていればと後悔しかありませんが再び犯罪に手を染めるようになりました。周りに似た者が多かったからか“悪い事をしても嫌われない”という認識になりました。犯罪の内容は中学1年生の頃の内容に無免許運転、暴走、傷害、恐喝、薬物などが加わりました。そして通っていた高校は早くから中退し、現場仕事を転々とし、色々あり、地元である京都府から石川県に夜逃げする形となりました〉