犯行当時の心境が記されている
心境の変化
各現場で彼はどんなことを考えていたのか。面会で当時の心境を尋ねると、送られてきた手記には前置きがあった。
〈これより、犯罪当時の倫理観の欠如している私の心境を記述してまいりますが、目を通されておられる方々が不快に思われる事と推察致します。そのため避けたい方は次の章に移り、目を通していただけますとありがたく思います。もう1点、補足としまして共犯者の裁判が現在、進行中であったり、今後に控えているという事もあり、具体的な人名等について私は明記致しません〉
永田被告は逮捕当時、移送をとらえるテレビカメラに笑みを見せるなど不遜な態度を示していたが、取り調べを経て、心境の変化があったようだ。自身の裁判においても、「被害者に一生謝罪し続けます。加害者にできることは何もない、でも謝罪して楽になる人がいるなら、信じて謝罪するしかない」と涙ながらに語る様子を見せた。
判決で裁判長も「被害の深刻さを被告人なりに理解しようと努め、本件を悔い、反省の弁を述べてもいる」と被告の態度に言及。「真実が出なければ、正しい刑罰が下らない」という思いから、今後も全てを正直に語り続けると法廷で明言していた永田被告は、手記においても、悪に染まった当時の思考や行動をつまびらかにしている。