ラーメン店閉店後、音楽活動の比重が高くなった
一方、高橋由美子主演の映画『時の輝き』(1995年)の主題歌『確かに愛したとき』は曲が“降って”きたという。
「桜新町のマンションに住んでいた頃ですね。『映画の主題歌だから』と台本を渡されて読み、映画の世界観を頭のなかで一生懸命思い描いていたら、ある夜、“30分で歌詞と曲が降って”きました。あの“降って”くる感覚は、今はなかなかないんですよね」
東野さんといえば、澄んだ美しい高音の歌声も魅力だが、自分ではよくわかっていなかったのだとか。
「デビュー前にコンテストに出場し、周りから指摘されるようになって初めて気付きました。デビューの頃はめいっぱい高いキーで歌っていたので、今は当時と同じキーで歌うのは正直、キツいです。
ただ、コンサートを重ねるなかで最近また、声が戻り始めているんですよ。ラーメン店をやっていたときは、お客さまに『いらっしゃい』などと声を出してコミュニケーションを頻繁にとっていたので、結構喉に負担がかかっていました。今はそれが無くなったのも回復の理由の1つかもしれません」
ラーメン店閉店後、音楽活動の比重が徐々に高くなってきた。これからの東野さんが楽しみだ。
続編では、ラーメン作りで40キロ増えた体重、体を酷使して患った糖尿病、ヒット曲『君は僕の勇気』などで得た印税8000万円の行方などについて語っている。
取材・文/中野裕子(ジャーナリスト) 撮影/岩松喜平
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