アマチュアバンド時代
『君は僕の勇気』ができあがるまで
東野さんは1993年4月、『君とピアノと』でデビュー。前年に行われたヤマハ音楽振興会主催のコンテスト「第1回ヤマハ・ミュージック・クエスト」世界大会で審査員特別賞を受賞してデビューのチャンスをつかんだ。
「幼いときにピアノを習い、中1からフュージョンバンドでドラムを叩いていました。コンテストに何度も挑戦し、『ミュージック・クエスト』ではあれよあれよという間に世界大会まで。僕を一生懸命推してくれたディレクターは、僕には自作曲がすでに100曲くらいあると関係者に豪語し、売り込んでくれていました。でも実際には5、6曲しかなくて、デビュー後にプロモーションしながら作りまくっていました。ホテルに疲れて戻ると、ディレクターが手ぐすねひいて待っていて(笑)」
『君は僕の勇気』はそんななかでできた1曲だった。
「熟考して“組み立てて”作った曲です。自分でも手応えがあり、ディレクターも『なんでもっと早くこの曲を出さなかったんだ』と喜んでいましたね」